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地獄花から、極楽花へ
草津あおばな

草津市の花として親しまれている「あおばな」。和名を「オオボウシバナ」といい、毎年7月〜8月にかけての最も暑くなる時期にコバルトブルーの可憐な花を咲かせる野草ツユクサです。通常のツユクサに比べ花の大きさは六倍もあります。
 この花の青い汁を和紙に何度も塗りかさねて染み込ませた「青花紙」が草津の特産品でした。青花紙を水に浸した液で絵を描くと、鮮やかに細かい線が出る上、水で洗い流せるため、友禅染の下絵染料として江戸時代から重宝されてきました。
別名・地獄花とも呼ばれ、青花紙作りが炎天下での花摘みなど、つらい作業を要したからです。その青花紙も化学染料の普及で需要は減退。昭和五十六年、「草津市花」に選ばれたころには、隆盛は語り草でした。ところが、大阪薬科大学元教授の草野源次郎博士が、アオバナの葉や茎に、人体への糖分の吸収をカットし、食後の血糖値上昇を緩和する成分があることを発見したことが転機となりました。食生活の乱れや運動不足、ストレスなど糖尿病予防に効果が期待できるということです。

今では農家との契約栽培から粉末化までの工程も確立し、商品開発が活発に行われています。例えば道の駅・草津で販売されているソフトクリーム。バニラにあおばな粉末がまじっているためアイボリー色ですが、味と香りに少しも違和感はありません。また、ペットボトルの「あおばな緑茶」(販売者・市農協)は信楽茶とのブレンドでおいしい。また、市農協のティーバッグ「あおばな茶」はハトムギやハブ茶とのブレンドで漢方的な香り。まんじゅう「青花摘み」(うばがもちや製造)には、あんの中にあおばな粉末が入っています。

「これらの商品や試みが医療費削減にまで結びつくことを期待しています」と、笠縫東まちづくりセンター長の多々良さん。現在は地元の子供たちに「あおばな」の歴史を知ってもらうようにと、ビデオの上演やあおばな摘みの実践などを行い、未来への継承に向けた取組みをされておられます。
健康志向の新しい味が、昔、地獄花と呼ばれた「あおばな」が時をかさねて、極楽花に変身していくようです。いつの時代になっても受け継いでもらいたいものですね。

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